バイオリン生産国による特徴の違いなどについてご案内します。

イタリア

バイオリン生産国  バイオリンといえばイタリアを思い浮かべる人も多いでしょう。
 ストラディバリ、アマティらの有名な製作者を輩出していますが、現在でもクレモナでは高級バイオリンが製作されています。道具としてでなく、美術工芸品として嗜好される傾向もあります。
 残念なのは、そういったイメージが先行してしまい、近年ではイタリア製というだけでかなり割高になってしまっているのが実状です。
 決してイタリア製バイオリンの品質性能が悪くなったわけではなく、品質性能に対して極端に高額な価格設定となったり、安く手に入れられても健康状態が良好でない場合もありますのでご注意ください。
 しかしイタリア以外でもすばらしいものがたくさん作られています。

ドイツ

 当店おすすめのValenteGermanyバイオリンシリーズなどもそうですが、ドイツでは優秀な製作工房が多いです。
 17世紀初頭にイタリアのブレシアからバイオリン製作が伝わったとされるドイツには、大規模なギルドを形成し、世界中で作られたオールドバイオリン、モダンバイオリンの90%を占めるとまで言われるほどのたくさんのバイオリンを製作するマイスターが存在しました。
 その中でもバイオリン製作における大都市であるザクセン地方のマルクノイキルヘンやフランケン地方のブーベンロイトという都市にはたくさんの有名な工房が存在し、ドイツの伝統的なバイオリン製作法や技術は優秀なマイスター達に受け継がれています。
 ある時期以降は名器と呼ばれるものはあまり見られませんが、アマチュア演奏家でも手の届きやすいような良い楽器が多く作られています。
 ただし一方で、量産体制に走りすぎた一部のお値打ちな楽器では褒められないものもあり注意が必要です。安く手に入るヨーロッパ以外の材料を使用して作られるものさえもあります。

中国

 近年ではバイオリン生産量第一位の国は、なんと中国です。
 中国製と聞くとあまり良いイメージを持たれない人も多いと思いますが、その技術はとても高く、大部分の工程を中国にて製造し、最終工程のみを別の国で行うことにより、イメージ的に好まれやすいイタリア製、ドイツ製、そして日本製などと謳っていることもよくあるそうです。
 残念なのは、実際たまに通販などで合板プレス工法のひどい楽器がたくさん出回っています。そういった粗悪な楽器も圧倒的に中国製が多く、その悪いイメージが先行しなかなか脚光を浴びませんが、それでも良いものは本当にすばらしく、驚くような安値で手に入れることができます。当店がおすすめするValenteバイオリンシリーズにも言えることです。
 チャイニーズバイオリンでは全体的に、細部の仕上げが丁寧でないことが欠点と言えるでしょう。例えば、表面をよく見ると細かな傷があったり、ペグボックス内側などの塗りにくい箇所が雑だったりすることもあります。
 その性質上、国民性からどちらかと言えば日本人にはあまり向いていないかもしれませんが、外観の細かな部分よりも性能重視の人におすすめできます。

日本

 その点、日本製のバイオリンは細部まで丁寧に仕上げられている点が魅力的だと思います。
 ただ、性能面からは、お値打ちなものは無いといった印象もかなり強く受けますが、日本ではどうしても製作コストがかさむことを考えると、仕方がないと言えるでしょう。
 それでも安心感はありますし、外観を重視される人にはおすすめだと思います。

当店取り扱い商品について

 前述もしましたが、バイオリンパレットが自信を持っておすすめするオリジナルブランドのValenteは中国、ValenteGermanyはドイツの信頼のおける工房に製作を依頼しています。
 また、SuzukiEnaとも中国製です。

 ご参考に、驚かれるかもしれませんが、メーカーサイトにもカタログ類にも表記されていませんが、ヤマハのバイオリンでさえ、ブラビオールV20SG(旧定価286,000円)までのグレードはすべて中国製ですし、ヤマハのカーボン弓もまた、高額ですがすべて中国製です。
 それだけ、良いバイオリンの製作には莫大な手間と技術を要し、日本国内で安いバイオリンを作ることは物理的に極めて困難と言えるのです。一方で、中国ではただ安いだけでなく、高品質・高性能なバイオリンを製作する技術も持っています。
 どこの国の製品でも、良いものもあればお勧めできないものもあります。そのためあまり製造国だけにこだわらず、様々な観点から楽器を評価することが大切でしょう。

自信を持っておすすめします バイオリンパレットでは、決して有名メーカーでなくても、立派なカタログさえも作られていなくても、外観だけにもとらわれず、価格に対して品質が高いと独自に判断した、コストパフォーマンスの高いものを吟味して集め、自信を持ってお客様へ販売させていただきます。

バイオリンパレット 初心者コラム