●チューニング方法
バイオリンのチューニング(調弦)は演奏のたびに必要ですが、初心者にとってまず最初にぶつかる壁と言ってよいでしょう。
ちょっとしたコツもあり、慣れたら簡単ですので、がんばってチャレンジして下さい。
チューニング用の道具として、チューナー、調子笛、音叉などがあります。
チューナーは、その表示を確認しながらそれぞれの弦を合わせますので、初心者でも簡単に正確なチューニングが可能です。
今出ている音が、高いのか低いのかを視覚的に判断できますので便利です。
マイクを併用すれば、より簡単確実に正確なチューニングができます。
調子笛は、4ヶ所の吹き口から出る音と同じ高さになるよう、それぞれの弦を合わせます。
ただし調子笛は吹き方により、わずかに音程が変化しますので、正確なチューニングには向いていないでしょう。
音叉は、初心者には難しいかもしれませんが、聴音の練習になりますよ。
音叉で基準となるA(ラ)の音が出ますので、まずその音にA線(2弦)を合わせます。
次にA線(2弦)とD線(3弦)を開放弦(指で押さえない音)を同時に弾いて、その和音の響き(完全5度の和音)を聞きながら、D線を合わせます。
和音の響きが合うと、音が溶け合った気持ちの良い響きになりますが、音が少しでもずれていると細かい波のようなうなり音が聞こえます。
同じ要領でD線(3弦)とG線(4弦)、最後にA線(2弦)とE線(1弦)を合わせます。
チューニングの際に十分気をつけなければならないことがあります。
チューニングの最中に、弦の張力によって駒が糸巻き方向へ徐々に傾いてきたり、ねじれてきたり、位置がずれたり、場合によっては倒れてしまう心配があります。
つい糸巻きに意識が集中してしまいがちですが、常に駒の状態を確認修正しながら、少しずつチューニングするようにしてください。
駒の角度の修正は、左の写真のように両手でしっかりと駒全体を持って修正します。
とても重要なことですので、「駒について」もご参考ください。
また、慣れないうちは誤って弦を強く張りすぎ、うっかり弦を切ってしまうことがあるかもしれません。その際、ピンと張った弦が勢いよく一気に緩んだ拍子に万が一顔に当たると危険ですので、必要以上に顔を近づけて作業しないようにしましょう。
さて、初心者の方では、一つの弦をチューニングしたら他の弦がまた狂っていると戸惑われることも多いと思います。
これは不良ではありませんのでご安心ください。
特に弦が緩めに張ってあるときに、4本の弦のうち、1本の弦の音を高くすると、他の3本の弦の音は低くなるのです。
この原因はバイオリン自体の構造にあります。
例えば、フォークギターを調弦する際、一つの弦の音を高くしても他の弦の高さはあまり変わりません。
しかしバイオリンは比較的大きく変わります。
一番の原因をご説明しますと・・・。
バイオリンは、4本の弦がテールピースに固定されています。
このテールピースは常に浮いた状態です。
そのため、ある弦が引っ張られると、他の弦は緩んでしまうのです。
4本の弦のチューニングを繰り返し、音の高さを安定させます。
なお新しい弦の場合は、ある程度伸びるために音程が下がっていきます。
また、糸巻きに巻きつけた弦が徐々に強く締め付けられていくことによって音程が下がっていきます。
更に、テールガット(テールピースを止めている紐状のもの)もある程度伸びます。
このようにはじめのうちは音程が下がりやすいのですが、張力が落ち着くまで、何度もチューニングを繰り返します。
●チューニングのコツ
基本的には、あらかじめ糸巻き(ペグ)を少し緩めて、弾きながら糸巻きを巻いていき、正しい音程のところで止めます。
巻きすぎて音が高くなってしまった場合は、一旦緩め、再度巻きながら合わせます。
緩めながら合わせると、演奏中に音程が下がりやすくなるのです。
バイオリンのチューニングは、初心者にとって悩みの種にもなりやすいです。
糸巻きは少し押し込みながら回しますが、この作業にちょっとしたコツがいるからです。
あくまで一例ですが、次の写真のように、ペグボックスを左手の指で挟むように持ち、中へ押し込むように力をかけながら巻くと有効です。

押し込みが弱いとグルッと糸巻きが戻ってしまったり、少しだけ音を調節したいのにググッと回しすぎてしまうことがあります。
まずは「慣れ」が必要です。
一旦多めに緩めた状態で押し込んでみたり、それらのタイミングや力の入れ具合などのコツを身につけ、自分できちんとチューニングできるよう、何度も練習するのが良いでしょう。
あまりおすすめはできないのですが・・・、慣れないうちは、楽器を構えて弓で弾きながら糸巻きを回すのではなく、楽器を膝の上に置き、指で弦をはじいて音程を確認し、糸巻き部分を両手で作業いただければ、ギュッと力が入りやすくチューニングしやすいですよ。
それでもいずれは、楽器を構えて弓で弾きながらのチューニングに慣れるよう、焦らずにがんばりましょう。
さて、糸巻きを回してのチューニングは、特にE線でなかなか合わないことがあります。
そのチューニングの最終的な微調整には、テールピースに付いているチューニングアジャスターを使用すると有効ですが、重要な注意点等もありますので、続いて「アジャスターについて」をご覧下さい。
●その他
糸巻きの材質や構造上、外気の状態などにもより、糸巻きが硬いことや、緩くて巻いても戻ってしまうことがあります。
そのようなときは、「糸巻きについて」をご覧下さい。