●松脂とは
松から取れる樹液を固めたもので、透き通った茶系の色をしています。
ただ固めただけではもろいため、ひまし油などの柔軟剤が入っています。
比較的もろく、割ってしまうこともあるでしょう。
大きく2つに割れたときなどには、割れた面を熱で溶かしてくっつけることもできますよ(ただしやけどには十分ご注意下さい)。
●松脂の役割
はじめての方に時々ご質問をいただきますが、新品の弓でそのまま演奏しても音は出ません。
音を出すためには弓毛に松脂を塗る必要があります。
弓毛のキューティクルの凸凹に松脂を塗ることにより、細かいギザギザが無数にできます。
そのギザギザの一つ一つが弦を弾き、無数の音を出し続けるという仕組みです。
これを正しいボーイング、すなわち弦にかかる弓の圧力を均等にして、弓をスムーズに動かすことにより、美しい音になります。
●松脂の塗り方
基本的には松脂の上で、弓を動かして端から端までまんべんなく塗っていきます。
右手に持った弓の毛を、左手に持った松脂に乗せて、擦り付けるようにゆっくりと動かします。
このとき、適度にある程度の力を掛けて動かしますが、あまりにぎゅうぎゅうと押し付けて擦ると、弓を折ってしまう原因になりますのでご注意ください。
擦ると松脂表面が白い粉末のようになります。
弓毛に松脂を「塗る」というよりも、その「粉を付ける」といった表現のほうが分かりやすいかもしれません。
松脂の同じ部分ばかりを塗ると、その部分だけがすり減ってきますので、松脂を時々回転させながら塗るのが効果的です。
弓毛にはじめて塗る場合は、根気よくしっかりとたくさんの塗り込みが必要です。
弓毛を触ることは基本的に厳禁ですが、指で触ってペタッと貼り付くくらいまで塗ります。
2回目以降は少し塗るだけで大丈夫ですのでご安心下さい。
さて、新品の松脂の表面はツルツルで、なかなか塗ることができなくて困ることがあります。
そんなときの対策として、松脂の表面に、サンドペーパーやカッターナイフ等で細かく傷を付けます。
すると塗りやすくなりますので、お困りの時はぜひお試し下さい。
演奏後、表板表面に白い粉がたくさん降りかかる場合は松脂の塗りすぎです。
必ず表板の松脂をクロスで拭き取り、弓は先端を指ではじいて余分な松脂を落とすか、しばらく松脂を塗らずに使用します。
弓毛をクロスで拭き取ることはよくありませんのでご注意下さい。
●良い松脂を使いましょう
お値打ちなセット商品に付いている松脂は、コストダウンのためあまり良質とは言えませんので、できましたらすぐにでも交換されることをおすすめいたします。
値段も様々ですが、やはり高価なものほど良質になり、音質や扱いやすさも優れています。
一度買えばかなり長持ちしますので、できるだけ良いものを用意されるのが良いでしょう。
当店の取扱商品で、おすすめの松脂を教えてくださいとのご質問をよくいただきます。あくまでも個人の好みによりますが、人気度やお手頃価格帯も踏まえて、あえて申し上げますと、できましたら音質面でたいへん評価の高いアルシェ201、演奏しやすく音も良いラウバッハ、もしくは、べとつかず扱いやすさでも好評のベルナルデルあたりをおすすめします。